【アフターコロナ】の世界(1) 爆発する消費 明るい未来の到来? #20

 


 アフターコロナと聞いてみなさんは何を想像しますか。想像は人それぞれだと思いますが、変異株の状況などを見ていると恐らく完全にコロナの存在しない世界というのは難しいのではないかと思っています。ウィズコロナという方が表現として適切なのかもしれませんが、少なくともワクチンが普及した後にはアフターコロナに近い世界が待っているのだと信じています。アフターコロナに近い世界というものはどのような世界でしょうか。日本よりも進んでいる米国では人口100人当たりのワクチン接種回数が83.5回(日経新聞及びFT誌集計値/5月21日現在)、ドイツやフランスの欧州ではそれぞれ同49.9回、同45.0回(同上)となっています。

 ワクチン接種率が40%を超えてきた他国の状況においては、一足早い経済活動の再開が見られ、欧米ではカフェで人が溢れ返っています。またカフェを始めとした飲食、旅行、ジュエリーショップなどが賑わいを見せているようで、少し賑わいが行き過ぎているようにも感じますが、少し想像をめぐらすとよく分かります。つまり、今まで食べたくても食べに行けなかった飲食店、行きたくても行けなかった旅行地、会いたくても会えなかった人たち、買いたいけど我慢していたものなど、今まで我慢や抑制されていたものが一気に爆発するイメージに近いのだと思います。また爆発とまでは行かずとも、飲食店に行って久しぶりだからプチ贅沢をする、旅行もせっかくだから少しお金を追加して贅沢するなど、一人ひとりで見れば少しずつの消費であっても経済全体で見た場合はだいぶ消費の効果を押し上げます。


 今回のこのコロナ後の消費をリベンジ消費という言葉で語っている人もいます。ワクチン接種が進んだ海外では実際にこのようなリベンジ消費のような行動が見られ、結果として経済指標にもその効果が表れています。米国における2021年1~3月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.4%(年率換算)と、回復ペースが加速しています。ワクチン接種の進展と感染状況の改善に加えて、二度にわたる経済対策がこの支えとなっています。一方の日本はどうでしょうか。人口100人当たりのワクチン接種回数は6.3回(同上)と低く、緊急事態宣言がいまだに解除されず、内閣府が5月18日に発表した2021年1~3月期の実質GDP成長率の速報値は前年同期比-5.1%減(年率換算)と米国とは対照的です。しかしながら、これもワクチン接種率の高まりとともに改善すると思われ、数か月後の未来には、日本でも抑圧されていた状態が爆発して消費が伸びてくる時期が来ると確信しています。


 このようなことを可能にしているのがコロナ禍のもと世界的に行われている大規模な金融緩和政策です。いわゆる金余りといわれる状況です。世界的なお金の向かいどころは株式や社債、不動産や金、仮想通貨などで、それぞれのマーケットを活況にしています。

バイデン政権下では、コロナ禍での個人消費などを支えるために1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策(追加財政出動)を、3月10日の連邦議会で可決させました。このような大規模な金融緩和が世界的に行われ、さらなる景気の押し上げとマーケットの活況が期待される中で、少なからず異変も出てきました。これによってマーケットも不安定な状況になっています。何が起き始めたのでしょうか。

 詳細は次回に説明しますが、米国労働省が5月12日に発表したConsumer Price Index(CPI)と呼ばれる消費者物価指数が事前予想を大きく上回ることとなり、CPIショックという形でマーケットを一時的に冷やしました。いわゆるインフレの懸念です。インフレとは物の値段が上がっていく現象で、物の値段が上がる→企業の利益が上がる→労働者の賃金が上がる→上がった賃金に合わせて物の値段も上がる→さらに企業の利益が上がる→さらに労働者の賃金が上がる、といったように好循環が起こると言われています。ただし、あまりに急激なインフレは悪影響を及ぼします。おにぎり100円の値段が一気に100倍になれば、賃金の上昇は追いつかず、持っている現金の価値も100分の1になるので、買いたいものが今の手持ちのお金では買えません。通貨を発行しすぎるとこのような現象が起きるので、各国の中央銀行(米国ではFRB、日本では日銀)が適切に通貨の供給量を調節する役割を果たしています。しかしこのコロナ禍の金融緩和でそれが異常になっているのです。(第2回へ続く)


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