【メタバース】 バーチャルな世界に思いを馳せる

 最近色々なところで目にするようになったメタバースという言葉ですが、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOはFacebookをメタバース企業に変革させると先日の4~6月期決算会見でも述べています。実はこのメタバースという単語は最近出てきたのではなく、1992年にSF作家であるニール・スティーヴンスンによる著作『スノウ・クラッシュ』の作中で登場するインターネット上の仮想世界のことで、約30年前からある言葉です。当時からすると、将来におけるインターネット環境が到達するであろうコンセプトモデルや仮想空間サービスの通称としても用いられており、メタ (meta-) とユニバース (universe) の合成語とされています。このメタバースが最近脚光を浴びてきており、今の言葉で定義すると、「バーチャルでインタラクティブなデジタル空間」という言い方がしっくりくるかもしれません。


 コロナ禍における人々の生活や働き方が変化する中で、メタバース企業を標ぼうするFacebookは、8月19日に新たなバーチャルリアリティ(VR)アプリを発表しました。オフィスから離れて在宅やワーケーションで働く人のコラボレーションを促進する取り組みで、VRヘッドセットで利用できる「ホライゾンワークルーム」(Horizon Workrooms)というアプリです。物理的な距離は関係なく、最大16人がVR空間の中で一緒に過ごすことができ、ヘッドセットを装着すればあたかもその空間にいるメンバーとアバターを介してですがインタラクティブに会話ができるというものです。バーチャルホワイトボードを使えば、各人の有するアイデアも視覚的に共有できるようです。

 VRはゲームなどのコアなユーザーから始まり、ゆくゆくはビジネスなど一般的な世界へ拡がりを見せるだろうと思っていましたが、やっとFacebookのような大手企業から一般的な世界の入り口ともいえるアプリが出てきたことは非常に前向きに捉えています。ゲームはある意味やる人とやらない人が分かれるニッチな分野と言えますが、商談や会議、デートや雑談など人と会うということはコミュニケーション上も重要なことであり、このような万人が利用するであろう仕組みが出てくることは、たくさんの人がVRに触れる機会が増えるので嬉しい気持ちになります。


 私は以前からVRの将来性に魅力を感じており、ポケモンGOなどのAR(拡張現実)やVR(仮想現実)が一般化していき、ゆくゆくはMR(複合現実)と呼ばれる現実と仮想の世界を融合させる技術や世界にたどり着くだろうと見ています。その過渡期である現在とこれからの未来には、VR関連の革新的なサービスが数多く出てくると確信しています。

 例えば、コロナで行くことが難しくなったライブやコンサートもVRライブという形であればコロナ禍でも開催できます。DVDと比べてVRライブでの臨場感は段違いで、VRであれば憧れのアイドルが自分に話しかけてくれることも可能です。また旅行も、グーグルアースVRのような形でどこでもドア化して、圧倒的な没入感で観光などが気軽に楽しめるようになると思います。

自動車はVRで試乗してネットで購入するのが当たり前の時代になるかもしれません。銀行や保険はVRで窓口業務を行い、スタッフは遠隔で自宅から顧客対応をして、最終的には生身の人間は不要でAIがVR上で正確に応対してくれるかもしれません。教育も大きく変わり、VRでみんなが実際の教室にいるような感覚で授業を受けたり、図書館やカフェの空間、海外留学などの体験が容易にできるようになると思います。また今まで社会の資料集などで2次元の中で学んできたことは、バーチャル資料集として、3Dの土器や、貴族の歌会の様子、実際の合戦シーン、江戸の庶民生活など、自分もその場にいるような感覚でより深く学べる可能性もあります。危険な理科の実験だって将来は安全に学べるかもしれません。アパレルの接客はVRに置き換わり、購入する側も自分の身体データを有したアバターが試着して、面倒な脱ぎ着などはなくなって楽に買い物ができるようになるかもしれません。

 もっと想像を広げれば、VRという視覚や聴覚だけを対象とする世界ではなく、VRヘッドセットの下に専用のカートリッジを内蔵することで、匂いなどの嗅覚にも対応することができます。そうなれば、食品や香水などの購入、海辺や山などもさらにリアルな体験が可能になります。また遠隔医療においても、医者が特殊なグローブを装着して患者が特殊なボディスーツを着用すれば触診さえも可能になります。つまり、その場に相手が存在していなくても人間の五感が共有できるようになる可能性すらあるのです。もし本当にこんな世界が具現化したらと想像を巡らせると何だかワクワク感が止まりません。


 このような世界観に到達するためには、Facebookのようにリードしてくれる企業が連続的に出現することが必要です。今後VRの世界で注目される企業は以下の2つだと考えています。1つ目は、VRヘッドセットなどのハードウェアを作っている企業です。どんどん軽量化が進み眼鏡のような違和感のないVRグラスが安く買えるようになることで爆発的な普及につながるはずです。2つ目は、オリジナルIP、つまりは優良なコンテンツを制作・保有している企業です。ヘッドセットだけの競争はここ4-5年で決着がつき、今後10-20年の展開を考えると、いかに優良なコンテンツを持っているか、そこが勝負の分かれ目になると見ています。


 ここまでVRのバーチャルな世界に思いを馳せてきましたが、それではリアルの世界は徐々に廃れていくのでしょうか。私はそうは思っておらず、リアルの必要性は間違いなく存在し、バーチャルでのライブや旅行の体験が、実際に行きたいという動機やきっかけを作るのだと思っています。またバーチャルが普及することで、リアルの価値が相対的に上がってくると考えており、VRはリアルな体験をプレミア化させていく原動力になりえるものだと考えています。バーチャルとリアルの双方が価値を上げていく明るい未来を想像してやみません。


#メタバース #Facebook #インタラクティブなデジタル空間 #ホライゾンワークルーム #HorizonWorkrooms #AR #VR #MR #革新的なサービス #VRライブ #グーグルアースVR #VR試乗 #VR授業 #VR接客 #VR遠隔医療 #バーチャルの普及 #リアルの価値が相対的に上がる # VRはリアルな体験をプレミア化させていく原動力 #明るい未来




230回の閲覧

最新記事

すべて表示