【メタバース】 バーチャルな世界に思いを馳せる #37

 


 最近色々なところで目にするようになったメタバースという言葉ですが、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOはFacebookをメタバース企業に変革させると先日の4~6月期決算会見でも述べています。実はこのメタバースという単語は最近出てきたのではなく、1992年にSF作家であるニール・スティーヴンスンによる著作『スノウ・クラッシュ』の作中で登場するインターネット上の仮想世界のことで、約30年前からある言葉です。当時からすると、将来におけるインターネット環境が到達するであろうコンセプトモデルや仮想空間サービスの通称としても用いられており、メタ (meta-) とユニバース (universe) の合成語とされています。このメタバースが最近脚光を浴びてきており、今の言葉で定義すると、「バーチャルでインタラクティブなデジタル空間」という言い方がしっくりくるかもしれません。


 コロナ禍における人々の生活や働き方が変化する中で、メタバース企業を標ぼうするFacebookは、8月19日に新たなバーチャルリアリティ(VR)アプリを発表しました。オフィスから離れて在宅やワーケーションで働く人のコラボレーションを促進する取り組みで、VRヘッドセットで利用できる「ホライゾンワークルーム」(Horizon Workrooms)というアプリです。物理的な距離は関係なく、最大16人がVR空間の中で一緒に過ごすことができ、ヘッドセットを装着すればあたかもその空間にいるメンバーとアバターを介してですがインタラクティブに会話ができるというものです。バーチャルホワイトボードを使えば、各人の有するアイデアも視覚的に共有できるようです。

 VRはゲームなどのコアなユーザーから始まり、ゆくゆくはビジネスなど一般的な世界へ拡がりを見せるだろうと思っていましたが、やっとFacebookのような大手企業から一般的な世界の入り口ともいえるアプリが出てきたことは非常に前向きに捉えています。ゲームはある意味やる人とやらない人が分かれるニッチな分野と言えますが、商談や会議、デートや雑談など人と会うということはコミュニケーション上も重要なことであり、このような万人が利用するであろう仕組みが出てくることは、たくさんの人がVRに触れる機会が増えるので嬉しい気持ちになります。