【土用の丑の日】 栄養たっぷりな謎多きウナギの生態 #30

 


 もうすぐ「土用の丑の日」ですね。お寿司と焼肉が好きな私もこの時期になるとウナギが食べたくてしょうがなくなり、外食といえば常にウナギのことを考えたりしています。そもそも「土用の丑の日」とは分かっているようでよく分かっていないワードなので、改めてこの時期に整理してみたいと思います。

 そもそも土用とは何かということですが、土用とは季節の変わり目の18日間(年によっては19日間)のことを指します。本来は夏だけではなく、立春・立夏・立秋・立冬の直前に年4回あります。年に4回ある土用の中でも、夏の土用は毎年だいたい7月19日~8月6日(年によって日付が数日前後)で、夏の土用は梅雨明けや大暑に重なり体調を崩しやすいため、最も重要視されるようになったそうです。今年の夏の「土用の丑の日」は7月28日の1日だけです。来年は7月23日と8月4日の2日間が夏の「土用の丑の日」です。

 また、なぜ土なのかというと、古代中国では万物の根源は木・火・土・金・水の5つの要素から出来ていると考える五行思想があり、春は木、夏は火、秋は金、冬は水というイメージを四季に当てはめた考えと、土が季節の変わり目の変化を表すもの(土が種をたくわえ芽を出させるというイメージ)と四季の間にあって運気を変化させるものというイメージとして考えられています。丑の日は、もちろん干支の十二支からきていますが、昔は1日ごとに十二支の考え方をしていたため、約18日間の土用の期間中に丑の日が1~2回発生するので、これが「土用の丑の日」の考え方の由来となっています。


 この「土用の丑の日」には、体をいたわり精が付くもの、つまりウナギを食べる習慣が昔からありました。よく言われる説としては、江戸時代中期、夏に売り上げが落ちるとうなぎ屋から相談を受けた蘭学者の平賀源内が、店先に「本日丑の日」という張り紙をさせてそこから「土用の丑の日」となったというのが有力な説のようです。でも実は夏にウナギを食べる習慣はもっと古くからあり、万葉集の中でもそれが詠われています。ウナギはビタミンA、B群、E、Dなどの栄養が豊富で、疲労回復や食欲増進に効果的な成分が多く含まれています。夏バテ防止にはピッタリの食材で、昔の人は季節の変わり目が気を付けるべき時期で、しっかりと栄養補給をして乗り越える必要があることを経験則的に知っていたのだと思います。


 そんなウナギですが、実は謎多き生物で、完全な養殖が難しいと言われています。ウナギの生態についてまだまだ分かっていないことが多く、特に産卵場所については長年謎でしたが、日本の研究者チームがつい10年ほど前にウナギの故郷となる産卵場所を特定しました。ウナギは遊泳力が弱いため当初は本州近海で産卵していると考えられていましたが、実は6000kmも離れた西マリアナ海嶺付近がウナギの産卵場所であることが判明しました。ここで卵がふ化し、透明な仔魚(しぎょ)になり、仔魚は太平洋を回遊して稚魚へと変態し、この稚魚がシラスウナギと呼ばれ、日本のほか、台湾、中国、韓国などに生息するようになります。シラスウナギは日本では鹿児島を始め、宮崎、高知、静岡などの川を遡上します。この日本の川を遡上するために日本近海までやってきたシラスウナギを捕獲し、そこから養殖する形を取っています。そのため私たちが口にしているウナギは半分天然で半分養殖ということになります。シラスウナギの捕獲量が減ると、養殖物でも価格が高騰することになります。ちなみに2019年は記録的なシラスウナギの不漁の年で1尾当たり438円とかなり高値で取引されていました。(一方2020年は6年ぶりの豊漁で1尾当たり288円)

 シラスウナギは川を遡上して川や湖で5~10年経過して成長すると天然物と呼ばれるウナギになります。日本では養殖が99%、天然が1%ですからいかに天然物が貴重なのかが分かります。ちなみに成長したウナギは川を下り、太平洋を回遊して、再びマリアナ海域の産卵場所へ向かうようですが、この過程についてはまだよく解明されていないようです。このように生態について謎の多いウナギですが、国産養殖で40%超の生産量を誇る鹿児島あたりで完全養殖の技術を早く生み出して、安くて美味しいウナギが安定的に食べられるようになってほしいものです。


 ちなみにウナギが夢に出てきたときの夢占いはあまり良くないようです。ウナギはぬるぬると動くためなかなか捕まえられずチャンスを逃がすという暗示や投資では損失を意味するそうです。

ただ私は逆の見方もできるのではないかと個人的には思っています。ウナギは全身が筋肉で生命力がすごいのも事実です。どのくらいすごいかというと、ウナギの料理人に捌かれて頭だけになっても30分程度生存していて、心臓自体も10分程度は動いているそうです。それくらい生命力が強く、「うなぎのぼり」という言葉にもあるようにウナギには縁起の良い意味もあるので、私はもしウナギが夢に出てきたら、生命力の強いウナギが自分にパワーを与えてくれる暗示としてポジティブに捉えるようにしたいと思います。そんな生命力の強いウナギの夢を見られることを願いつつ、「土用の丑の日」に向けてウナギを食べしっかりと栄養をつけてこの夏を乗り切りたいと思います。


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