【営業の神髄とは?】強面の創業社長との思い出

 あまり偉そうに語る気はありませんが、本日は期せずして人の心を掴んだ営業にまつわるお話です。これは大阪時代に担当していたある上場企業の創業オーナー社長との間に起きた偶然も重なった実話です。ここではその上場企業をA社としますが、今では皆さんお馴染みの郊外型店舗を多数展開する有名な企業になりましたが、そのA社の創業社長と私は年2回ほど2人だけで東京へ出張するのが恒例となっていました。

 決算発表後に東京にいる投資家に対して自社のことを説明するIRや企業訪問を目的としてタクシーで東京の投資家や企業を一緒に回っていたのですが、決まって移動やランチの時に社長の創業当時の思いやどのような辛い経験をしてきたかを聞くのが習わしになっていました。人によっては同じ話を何回もされると嫌な人もいるかもしれませんが、私は創業社長の話を聞ける貴重な機会ということで、毎回新たな発見をしながら、真剣に耳を傾けていました。A社のことも社長のことも好きだったからかもしれません。


 その日も終日社長と東京を回って、夕方の最後1コマの投資家(@日本橋)の際に、私は社長に対して、投資家へお連れした後社長が部屋に入るまでのお見送りだけでお出迎えはできない旨を事前に伝えていました。私は東京で別の会社への訪問があったのです。社長もそれを事前に分かってくれていたため、最後の1コマの投資家先で別れを告げて私はその日本橋のビルを先に出ました。ビルを出ると少し頬にポツ、ポツとあたるような軽い雨が降り始めていました。確か今日は雨の予報ではなかったのになと思いながら、ふと社長が傘を持っていなかったのではないかと思うようになり、本降りになるか、このままやんでしまうか分からなかったものの、近くのコンビニを探して傘を買おうと思いました。

その時は深い意図はなくただ単純に社長がタクシーを捕まえるまでに濡れては困るなという軽い気持ちでした。雨がやんでも荷物にならないように折り畳みの傘を買って、再び社長と投資家のいる日本橋のビルに戻り、受付で事情を説明して帰り際に社長に渡してもらうようにお願いをしました。私もその後別の会社に行ったのですが、私が別の会社を出る時はちょうど土砂降りだった雨がやみ始めるところでした。社長は無事に濡れずに東京駅まで行けたかななんてことを考えながら、その日を終えました。


 大変なことが起こったのはその後からです。数日後にA社の社員から、「社長が全店営業店会議で安杖さんのことを話していましたよ。」と聞かされたからです。最初は何を話していたのか皆目見当がつきませんでしたが、話の内容を聞いてピンときました。

私の実名と社名を挙げて「彼は本当に素晴らしい営業マンだ。お客様の期待を超えるサービスを先回りして行った彼は『営業の鏡』である。お客様が求めるもの、期待する以上のことを自ら考えて最高のサービスをみんなも提供してほしい」と。もちろん社長に直接会った際にも深々とお礼をされ、色々な営業上のご配慮もたくさんしていただき、こちらが逆に恐縮してしまうくらいでした。その後も社長に会うたびに折り畳み傘の話を持ち出され、何度も褒めていただきました。年のせいもあるかもしれませんが、驚くほど何度も!です。役員面談の際も、会食の際も、北新地でのお姉さま方との会話の際にも至るところでです。その後も社長の趣味の麻雀にも何度もお付き合いし、自宅にもお招きいただき奥様にもご挨拶するような仲になりました。でも残念ながら2年前に他界されました。どぎつい関西弁で近寄りにくい雰囲気のある強面の方ですが、実は真っすぐで誠実な、内面は優しく温かい心の持ち主で、心から尊敬できる素晴らしい方でした。


 A社は2月決算の企業ですが、実は今日がその社長との東京出張の際に起きた事件?記念すべき思い出の日でもあり、社長の温かい眼差しを思い出しながら、急遽ブログに投稿しました。営業の鏡であると過分なお言葉をいただきましたが、実はほんのちょっとした相手のことを考えた振る舞いが相手に刺さり、その後の大きな取引につながることがあるというお話です。偉そうなことは言えませんが、モノやサービスを売ろう売ろうとするのではなく、相手のことを一番に考える姿勢の積み重ねが営業にとっては大事なのだと思います。と改めて自分に言い聞かせながら、明日からも頑張りたいと思います!


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