見えてきた【副業の課題】 定着に必要なこと(2) #43

 


 前回は副業の課題として、受け入れ側の体制の問題を取り上げました。私自身、副業を希望する多数の方々との面談を通じて、副業を希望する方の意識の高さや市場価値の高さを改めて認識しています。そのような能力の高い方々が副業人材として活躍できる場がまずは重要というのは述べた通りです。

 さらに一歩進めて考えると、今回のもう1つの課題にもなりますが、すでにプロ個人として企業で活躍されていて、副業を通じてさらにその技能や知見を磨いていきたいという意識の高さに加え、視野をさらに広げて、多様な経験・知見を得て自分を成長させたいという強い上昇志向を持っている方が多いのですが、一方で、副業は認めているものの、現状の業務と被るものは禁止しているという人材供給(副業解禁企業)側の実態があります。本来であれば他流試合を通じて自身の市場価値をさらに高めてそれを自社に還元すべきなのに、本業とは全くかけ離れた業務しかできないということが2つ目の課題です。

 副業を認めている企業側からすれば、現状の業務で行うことができるものは、副業で行うのではなく現状で出しきってほしいという思いも理解できます。ただし、相手先の規模や支払能力の観点、関係性などの様々な理由から現状の業務範囲では提供できないことがあるのも事実です。また現状の業務では自らは会社の歯車の一つとしてサービスを提供しているだけですが、全体の流れを自身で把握して自らが工程の全てを担うことで、プロ個人の能力がさらに開花して昇華するのではないかと考えています。確かに現在所属している本業の企業のお客様と副業でのサービス提供先とのコンフリクトをどのように解消するのかという問題もありますが、そのコンフリクト・マネジメントは現在の所属企業との間で円滑に解決できるあまり大きくない問題です。

 副業を解禁しておきながら、個人が自由に副業を行うことができないのは、ひいては自社の成長の阻害につながるだけでなく、有能な人材のつなぎ止めで副業を解禁したことに対して本来の意味が乏しくなってしまいます。副業ができることが企業の魅力として考えられている時代から、一歩進んで実態まで見直す必要に迫られる時期が早々に来るであろうことを実感しています。


 今回は2回にわたって、副業人材の受け入れ側と供給側の両面において、私が副業支援を通じて実感する課題をご紹介しました。また、終身雇用の時代が前提であった一昔前にはあまりに気にされなかったであろう、「会社での自分自身の役割」や「今後のキャリアプラン」ということに対して、真剣に考える人が圧倒的に増えてきている印象があります。個人が悩む必要があるということは、会社でもどのような組織作りをすれば退職者が減り、新卒・転職者が増えるかという問題に直面するということです。

 会社で働く個人も、雇用者である会社も、自分自身が本当にやりたいことは何か、実現したいことは何か、を常に自問自答しておく必要があります。企業にとって、またそこで働く私たちにとって、最初から答えが用意されているよりも自分たちの手で創り出す未来の方が断然ワクワクすると思います。

楽天創業者の三木谷浩史氏は自著の中で「仕事を面白くするのは、仕事の内容そのものよりも仕事の目的だ」と明言されています。そして仕事に不可欠であるスピードを上げるために「当事者意識を持つこと、目標設定をすること」を掲げています。全くもってこの意見には大賛成で、専門領域において高い知見を持ち合わせている仕事であっても泥臭い仕事は多く、外部から華やかに見える仕事でも水面下では肉体的にも精神的にもきついことが当たり前です。そのため、仕事の内容にあこがれて何かを始めるよりも、仕事の目的に楽しさや面白さを感じるべきであり、そのような意味からも、個人でも企業でも「内面の探究」や「ビジョンの言語化」が必要です。今一度立ち止まって、個人や企業が自分自身に対してこれらを問いかけるとともに、笑顔で楽しく働ける持続可能な社会の実現へ向けて、私自身も頑張りたいと思います。


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