【金利と為替】 長期的に見た場合の為替相場の考え方 #57


 今回も足元の金利と為替の動きを考えながら、より長期的な視点で考えた場合に、特に為替相場がどのような動きをするか(円高方向か円安方向か)について考察してみたいと思います。

 昨年12月15日にFRBがテーパリング(量的緩和の縮小)の加速化を決め、主要中央銀行も金融政策の正常化(引き締め)を進める方針を打ち出してきたことから、各国の金利は上昇傾向にあり、また株式市場への資金流入が細るとの見方から、グロース株や景気敏感株を中心に株価が大きく下がり、年明けからマーケットは波乱含みの様相です。米10年債利回りは1月6日に9か月ぶりの高水準である1.7%を超える水準になったことからも、今後の日米の金利差拡大は明白で、この事象だけを見れば為替は円安要因になります。

 また、財務省が昨年12月16日に発表した11月の貿易統計速報によると、原油高の影響で輸入額は過去最高になり、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は9,547億円の赤字で、4か月連続の赤字となっています。2021年の通期で見ても貿易収支は3兆円超の赤字です。

 この貿易収支の赤字も日米金利差の拡大も、どちらも円安要因になりますが、これは短中期における為替相場に対する見方になります。そのため、今の1ドル115-116円のドル円が短中期的に119-120円、もしくはもう少し円安方向に振れることは十分に考えられますが、長期的に見た場合は少し違う考えを持っています。



 今年3月以降に米国の利上げが徐々になされていくのはマーケットでも織り込み済みだと思いますが、もっと長期的に見た場合、この米国の利上げが一服し、日銀の量的緩和も縮小して日本の金利も上昇、つまりは日米金利差が縮小傾向に向かう状況を想像すると、こういった状況でドル円の相場を決定していくのは「インフレ率格差」になります。