【Web3.0】 来るべき新しい世界への心構え(2) #63


 前回はWeb1.0から2.0の歴史とGAFAMなどのビッグテックが強力な支配権力を有する状態が弊害を生み出していることをお伝えしましたが、まさにこの点を改善するという意味合いで、これから到来する、すでに到来しつつあるWeb3.0の時代があります。Web3.0ではブロックチェーン(#28ブログ参照)の技術を活用して、読むことや書くことに加えて、個人が自分自身の情報やデータを自ら所有(+管理)する時代といわれています。つまり、「Read+Write+Own(+Manage)の時代」です。

 この新たな時代では、国やGAFAMといった中央集権型のサービス形態から、国や特定企業に依存しない分散型のサービスを享受する形態になっていくことから、Web3.0を「ブロックチェーン技術を用いた分散型ネットワーク」という形で定義することもできます。分散型ネットワークを通じて、所有権を自らが管理しつつ各種のサービスを利用することができる、まさにWeb2.0の問題点を解決した新しい世界の到来です。



 具体的なWeb3.0の事例に入る前に、改めてWeb2.0の問題点や弊害について、大きく3つに分類して考えてみたいと思います。

 Web2.0がもたらす問題点や弊害の一つとして「個人情報の漏洩」があります。これは特定企業にユーザー情報が集中することで起きる問題で、Facebook(現Meta)が利用するサーバーから累計6億人以上の個人情報が流出したり、他企業も含めて毎年何十件という単位で情報漏洩が起きていることは皆さんご存知の通りだと思います。

 2つ目の弊害が「プライバシーの侵害」です。本来個人情報は個人に帰属しているはずなのに、Web広告などトラッキングによって本人の意思に反する広告が強制的に表示され、その広告がGAFAMなどの収入源になっているという現実があります。Webサイトの閲覧時に閲覧履歴の記録としてサーバー上で発行されるIDの取り扱いが一時問題になりましたが、このID情報はアクセスに関するもののみであり、ユーザー自身の個人的なデータは保存されないとはいわれていますが、皆さんがサイト閲覧時にトラッキングされているかのような不愉快な思い(プライバシー侵害の経験)をしたことは何度かあると思います。

 3つ目がサービスを提供・運営する企業による「所有権の独占」です。AmazonのKindleというサービスにお金を払って購入したデータ自体はAmazonが管理しています。そのため、Amazonのアカウントをバンされた場合、今まで購入していたKindleのデータもすべて使えなくなってしまいます。また、YouTubeでは運営側から利用規約に反しているとみなされれば自分のチャンネル自体が閉鎖されることもあります。それまでにアップしていた動画も消され、応援してくれていたチャンネル登録者も失ってしまいます。このような自分自身の努力や財産が奪われてなくなってしまうという恐ろしい事象は、利用規約上で所有権がユーザー側にないことが法的に明記されていることで生じるのです。


 そういった弊害を解消するために出てきた新しい概念がWeb3.0ですが、その肝となる技術がブロックチェーンです。ブロックチェーンのことをものすごく簡単にいうと、特定の管理者がいらない仕組みで取引を記録する技術といえます。インターネット上のデータを特定の企業が管理して独り占めするのではなく、インターネットに参加している人たちが自分たちでデータを管理するイメージです。まさに大企業の意図に左右されない世界ですね。



 Web3.0では多くの中央集権型サービスに疑問を感じている人たちが新しい形でサービスを提供して始めています。実例をいくつか挙げてみたいと思います。

 Braveというブラウザサービスでは、データは個人のブラウザ上に保存して、不要なWeb広告やトラッキングをブロックしています。また、あらゆるウイルスからの攻撃も防いでくれて、使えば使うほどBATという暗号資産がもらえる仕組みになっていることもあり、世界中に広がり始めているサービスです。Google ChromeやSafariに代わって、今や全世界で5,000万人超の人がこの速くて安全なブラウザサービスであるBraveを利用しています。

 UniswapやPancake Swapの名称で知られるDEXと呼ばれる分散型取引所のサービスも拡大傾向にあります。DeFi(ディーファイ)と呼ばれる分散型金融の形態の一つで、このDEXには管理者が存在していません。例えば暗号資産取引所は、国内ではコインチェックやビットフライヤー、海外ではバイナンスやコインベースという大手事業者がいますが、どれもが中央集権型のサービスです。そのため、政府に認可された暗号資産しか上場できない、上場までにすごく時間がかかる、運営側が意図的に垢BANできる、情報漏洩リスクがある、といったような問題点がDEXでは改善されています。DEXはウォレットアドレスだけで簡単に利用でき、人件費やマーケティングなどの経費がかからない分、利用者に直接還元ができるのが魅力です。DeFiは2020年頃から徐々に流行り始めていますが、プールやイールドファーミングという形で、暗号資産をDEXに預け入れると数十%、100%超えの金利がつくものも多く、ちょっと信じられないような世界が広がっています。

 その他、ゲームではAxie Infinityというブロックチェーン上のゲームがあり、ウォレットを使用してNFT(#15ブログ参照)を購入し、ゲームを通じて暗号資産を稼ぐことができるPlay to earnのゲームが流行り始めています。NFTマーケットプレイスでは、世界最大のOpenSeaを始め、デジタルアート作品などのNFTの売買が簡単にできるサービスが浸透しつつあります。


 このようにWeb2.0の問題点を解決した様々なサービスが増えてきていて、そのどれもが動きが早く、分散型のサービスが知らずに知らずのうちに生活の中に入り込んできそうな状況です。こういった世界が広がる一方で私たちユーザー側にも課題があるのは事実です。次回の最終回ではその辺りをお伝えし、来るべき新たなWeb3.0の世界に対する心構えを示していきたいと思います。(次回へ続く)


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